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ホップマンキャンプ完全攻略マニュアル [米国庭球見聞録]

【1999年の秋から「テニスジャーナル誌」に連載をした、「米国庭球見聞記第4回」】

テニスリゾートのメッカ・フロリダへ

フロリダはアメリカ本土での避寒地として有名なところで、これからの季節12月から3月までがまさしくトップシーズンとなります。フロリダ州の全土は日本の本州とほぼ同じ位の大きさで、毎年「リプトン」の開催される南端のマイアミからATPツアーの本部のあるジャクソンビルというフロリダ北端の都市まではどんなに車を飛ばしても10~12時間はかかる位ひろーい土地なのです。マイアミから右手に大西洋を見ながらインターステイト(国道)95号を北上して行く道は、テニスリゾート街道と云われるくらい(勝手にボクが命名したのですが)有名なリゾートが林立しています。、クリス・エバートの生まれ育ったフォート・ローダーデール、インターナショナル・テニスリゾート、ボカ・ラトン、タフなゴルフコースとして有名なドラール・リゾート、古き良き時代のイメージを再現したアメリアアイランド・プランテーショナル、ポンテヴェドラビーチ、P.G.A.ツアーの本部がおかれているソーグラス、など枚挙に暇がないほど沢山の素晴らしいところばかりです。スピードウエイで知られるデイトナビーチから西に4号線に入りディズニーワールドのあるオーランドを越え、メキシコ湾を望むフロリダ州西部に入るとそこがもうタンパベイエリア。
ハリーホップマンキャンプはオーランドの空港からは約100分、タンパ国際空港からは約30分のヒルズ・ボロにあるサドルブルックという大型リゾートの中にあるのです。
アメリカ/テニス=ホップマンという勝手な図式が既に構築されているボクとしましては、今回テニス好きの家族又は友人と連れ立って行くホップマンキャンプの有意義な過ごし方と、せっかくアメリカへ行くのだからついでにフロリダも楽しんでこようというテニストリップ「私的企画案」をご紹介したいと思います。

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最近新設されたアンツーカーコート


ホップマンキャンプとは

数あるテニスの歴史の中に偉大な足跡を残すミスターハリー・ホップマン。デ杯監督として、ローズウォール、レーバー、ニューカム、ローチなどを育て上げオーストラリアテニスの黄金時代を築き、「ミスターテニス」と称されたお方です。その後アメリカに渡りキャンプを主宰。ゴメス、ビラスなど数々のトップ・プロを育て、バードムーアから現在のサドルブルックに本拠地を移転。1985年ホップマンさんは残念ながらお亡くなりになったが、彼のの意志は今でも、キャンプ全体の責任者であるトミー・トンプソンを中心に松岡修造君のコーチとしても知られ、ジュニアのアカデミーディレクターであるアルバロ・ベッタンコらにより多くの改良を加えながら引き継がれ、現在も運営されています。
ハリー・ホップマン・テニスキャンプは、皆さんもご存知の通りサンプラス、クーリエ、カプリアティなど世界のトップ選手が練習に集ることで有名でトップ・プロたちにとって、又はテニスマニアを自称するアマチュアプレーヤーにとってもまさに聖地と言える所ではないかと思います。
全米でも屈指の高級リゾートがサドルブルック。広大な敷地の中にはコンドミニアム形式の宿泊施設の他、個人の住宅、別荘が点在しレストラン、ゴルフコース(36ホール)、テニスコート(47面)、フィットネス・センター、プールが完備されていて、この中にホップマン・キャンプがあります。47面のコートはクレー、ハード、グラス、アンツーカーの4種類。まさに素晴らしいロケーションなのです。(何故4種類のサーフェスが用意されているかというと、全てがグランドスラムトーナメントに併せてあり、選手の試合の前の調整用として準備されているからなのです。ボクは今回フレンチとウインブルドンの丁度あいだの時期に訪れましたが、前回伺った時よりもアンツーカーコートが増えていてビックリしましたし、天然芝のコートではカプリアティが2:1でブリブリ練習していました。このように選手を作り上げることももちろんですが、実際トーナメントを回るようになった選手達に対するケアーも大したもので、多分ここで育っていった選手達にとっては家に帰ってくるような気持ちにさせるような所なのではないでしょうか。)アカデミーはホップマンのテニスももちろんですが、アーノルド・パーマーによるゴルフのキャンプもあり、それらに通うジュニア達の為にサドルブルック・ハイという高校まで用意されています。冬場でも日中の平均気温が20℃以上の土地柄。スポーツをするにはもってこいの環境です。

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ウィンブルドン開催前のカプリアティの練習姿


「ホップマンウイークを体験する」

ホップマンキャンプの通常のコースはホップマンウイークと呼ばれている月曜日から金曜日までの5日間のレッスンを受けるというのが一般的なパターンです。タイムスケジュールは下記の通り。

 8:20~ コート集合・体操とデモンストレーション・コーチの説明
 8:30~11:00 レッスン(休憩は1回・フルーツブレイク)
11:00~12:45 各自での昼食
12:45~ コート集合・体操
13:00~15:30 レッスン(休憩は1回・ジュースブレイク)
15:30~ フリータイム(コートは使いたい放題)

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レッスンの内容はドリルを中心に1面にコーチ1人に対して生徒は4人以内、各々のレベルによって振り分けられることになります。殆ど動きっぱなしの状態が2時間半も続いていると想定してみて下さい。内容はかなりハードですが基本練習の積重ねがこれほど大事なことだと改めて認識させられます。ここでホップマンスタッフからのメッセージを紹介しましょう。
”私たちはミスター・ホップマンによって想像力豊かにあみだされた一連の反復練習を教えます。それによりあなたはより強く、より長くプレーができ、ボールに反射的に反応できるようになります。時にはやさしく、時には厳しく、私たちコーチング・スタッフはあなたの持つ可能性を引き出します。あなたの生まれながらに持つ自然なスタイルを生かし、それを最大限に伸ばす方法を教えます。私たちはあなたをコートの上でしか育てません。ホップマンには教室での授業はありません。私たちの目標はあなたが自分のスタミナとスピードと機敏性と耐久力を高めるのをテニスをしながら手伝うことだと思うからです。メンタルトレーニングすらコートの上で行い、練習の確かな効果で、ボールはより正確に、より強く飛ぶようになるでしょう。ハリーホップマン・テニスアカデミーは生徒ひとりひとりを時間をかけて観察し、教えることで有名です。技術は迅速に正確にあなたのものになります。勝てるようになること、個人的にたっぷり見てもらうこと、そして面白いこと、それがあなたの求めるものならば、私たちこそがあなたの探していたテニスアカデミーです。”
随所にレッスンのハードさが伝わってきますが一日が終わった時の爽快感たるもの最高です。

アフタードリルの過ごし方

実際のレッスンの内容は是非体験してみて頂くとして今回は如何に有意義なフロリダライフをキャンプ受講中に過ごすかについてアドバイスします。
まず今回のフロリダ体験ツアーではレンタカーを借りる事をお勧めします。アメリカでは日本の価格とは比べ物にならないくらい、とっても格安で車を借りることができます。なおかつ到着するタンパ空港のレンタカーカウンターには日本語の説明書が用意されているので、解りにくい保険の事とかもろもろが係員に指で合図すれば大丈夫なのです。予めレンタカー会社の日本の営業所で予約しておけば(細かい車種などの指定がなければ)タンパ空港に着き荷物を受け取ってカウンターへ行き、手続きが終われば空港ビルの隣の(本当にすぐ)駐車場から、さあサドルブルックとなるのです。3~4人で7日間借りたとしても、1人当たり¥3、500ー位で済んでしまう車種からあります。ホップマンウイークでは朝食以外はレストランを利用するか、自炊をするかです。近所のスーパーマーケットに買い出しに行くにせよ、車があると大変便利。それに3時半にレッスンが終わってから大活躍してくれます。リゾートとはのんびりと過ごす所ではありますが、やっぱり我ら日本人としましてはもったいないのは元々ダメな質。アフタードリルを楽しんで下さい。

タンパベイエリア、お勧めの見どころ

1.クリアウォーターベイ
サドルブルックから車で90分。本物の白砂のビーチです。メキシコ湾に面していて、ここからの夕日(日の入り)はまさしく絶景です。
2.セントピータースバーグ美術館巡り
車で60分位で行けるセントピータースバーグにはサルバドール・ダリ美術館、モネの「睡蓮」もあるファインアート美術館などは一見の価値あり。
3.フロリダ水族館
タンパのダウンタウンにあるフロリダ最大の水族館。550種、4300匹もの海の生き物が集められており、それはもう壮観です。
4.イーボー・シティ
一晩は出掛けてみたいタンパのナイトスポット。19世紀末頃のレンガ造りの建物が立ち並び雰囲気の良いレストランやバーなどが集まっています。
5.ショッピング
大型のショッピングモールやもちろんアウトレットモールもあり、ディスカウントスポーツショップも片道1時間以内のところに点在しています。是非探検なさってみてはいたがでしょうか。

ビフォー・アンド・アフター

一日のスケジュールやアフタードリルの案内は前述のような過ごし方を紹介しましたが、もう少し具体的にご案内しますと
1.ホップマンウイークは月曜日から金曜日の5日間です。受講のお勧め出発日は土曜日です。時差の関係でアメリカには同日の土曜日に到着します。
ここで1日調整日を作ることです。時差ボケを解消し月曜日からベストな体調で望むことをお勧めします。勿論前日の午後にはテニスコートを使う事も可能ですし、場合によってはこの時にクラス分けをしてもらうこともあります。またどうしても月~金曜日という日程が無理な場合でもクラスをアレンジしてくれたりもしますし、「ホップマンウィークエンド」という週末だけのプログラムも用意されています。
2.レンタカーは必須ではありません。あらかじめ予約をしておけば、タンパの空港までのシャトルバスサービスもあります。勿論帰路の大丈夫。また、現地のコーチが近くのスーパーマーケットまでの買い出しに連れて行ってくれることもあり、食事材料や飲料の購入も問題ありません。
3.サドルブルックの敷地内だけで、充分アフタードリルを楽しむこともできます。ゴルフコースは36ホール。毎日9ホールづつプレーするというのも面白いでしょうし、フィットネスセンターには、充実したマシーンが勢揃いしていますし、プールは驚く程の大きさです。スパもあります。
とにもかくにも、これだけ広大な敷地のなかでテニス漬けの毎日を送ることができたら、どんなにかという気持ちになることと思います。是非一度体験されてみてはいかがでしょうか。

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ディズニーワールドはすぐ近く!

折角、フロリダまで行くのならディズニーの本物を見てくるのも良いでしょう。オーランドは車でもすぐ近く。バスを乗り継いでも行くことができます。全米クレーコート選手権の開催されるのもディズニーの敷地内のテニスコートです。オーランドはテーマパークの数が全米一というところ。帰路に1~2日使ってでも訪れてみてください。
どの航空会社が便利か?
タンパへ1回の乗り継ぎで行けるのは、ユナイデッド、ノースウエスト、デルタの3社です。成田の出発時刻は別として、一番早くタンパに着くのはユナイテッド、乗り換えに面倒が少ないのがデルタ、価格的にお安いのがノースウエストかと思われます。私的見解でみると知らない土地へは明るいうちに着いたほうが何かと安心。よってユナイテッドがお勧めです。
(すいません成田からしか調べていません)ちなみに乗り替え地はユナイテッドがシカゴ、デルタがアトランタ、ノースウエストがミネアポリスかデトロイトです。

いったいいくら位かかるのか?

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具体的に費用はどのくらいかかるのか。これが締めくくりです。ホップマンウィークはコンドミニアムのあるいはホテルのどういう部屋を何人で使用するかによって価格はかなり変わってきます。一番安く上げようとするならば、一部屋を2人で利用するワンベッドスイートが約¥90,000くらいから価格設定されています。(1ドル=¥110換算で朝食、6泊宿泊、5日間レッスン受講料を含んだもの、5月~9月の期間)ここから季節的なもの、部屋をどのようにして使うかなどの変更によって様々な組合せでのお値段になっています。(ちなみに上限はベットが2つある部屋にひとりでお正月に利用したとして、約¥160,000です)価格に関しては順列組合せのごとく様々なケースがありますが、だいたいこんな感じのようです。航空運賃は安くなりました。アメリカ東海岸へは、行きにタンパまで、帰りはオーランドからと、往復タンパでも値段は一緒。今ですと約¥90,000位で購入できることと思います。どんな過ごし方をするのかによってもだいぶ格差があるかと思われますが、3~4人で節約して過ごすのなら「1人当たり\250,000」といったところが目安でしょう。
 貯金をすれば、夢のホップマンキャンプも現実のものとなるのです。

とっても安心

ホップマンキャンプには在籍10年の桜井隼人コーチが日本人スタッフとして活躍中、事前にファックスやメールでの相談にも応じてくれます。また国内の窓口としてもインターナショナルエクスプレス・朝日サンツアーズが担当の専門家をおいて、状況に応じた対応をしてくれます。今回はインターナショナルエキスプレスの金井さんにインタビューをしましたが、懇切丁寧な対応を頂きました。一度はホップマンへとお考えの方、是非お問合せしてみてはいかがでしょうか。このレポートは決して広告ではありません。筆者の個人的思い込みにて作られたものです。

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ホップマンキャンプのオリジナルグッズが並ぶプロショップ店内


コメントは noblog@tennisfactory.co.jp or Call:03-3499-6160

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